自分の経験を3人のAIに掘らせたら、全員そこを見るの?となった話
最近、「パイセンバンク」というものを考えている。
年上だからパイセンなのではなく、その経験を先にした人がパイセン。
転職したことがある人なら、初めて転職する人のパイセンかもしれない。
KDPで本を出したことがある人なら、これから出す人のパイセン。
親の介護をした人、家を建てた人、副業を始めた人、借金を返した人。
別にすごい人じゃなくてもいい。
その人にとっては「普通にやっただけ」のことが、まだ経験していない人には役に立つかもしれない。
そんな経験をAIと一緒に掘り出して、誰かに渡せる形にできないか。
それが今のところの「パイセンバンク」だ。
もともとは、怪しげな「AIで稼ぐ方法」の話だった
始まりは、ネットで見つけた、
「AIに売れるテーマを探させて、有料noteを書かせて、告知まで作らせれば稼げる」
みたいな話だった。
テーマもAI。
悩みもAI。
本文もAI。
告知もAI。
改善もAI。
本人は動くだけ。
ほほう。
本当にそんなうまい話があるのか。
考えてみると、記事自体は作れると思う。
でも、それを買う理由は何なんだろう。
AIがネット上の情報をまとめただけなら、買う人だって自分のAIに聞けばいい。
そこで、
「本人しか持っていない経験を使えばいいんじゃない?」
という話になった。
売れそうなテーマを探すのではなく、自分の中を掘る
誰かが検索してまとめられる情報ではなく、
自分が実際にやったこと。
失敗したこと。
使った金額。
かかった時間。
何回試したか。
なぜそう判断したのか。
やってみた結果どうなったのか。
そういうものなら、本人しか持っていない。
となると、
「AIに商品を作らせる」
ではなく、
「AIに自分の経験を発掘させる」
ほうが面白い。
そして、その経験が誰かの役に立ちそうなら、まず発信してみる。
反応があったら詳しくする。
必要なら有料noteやPDFや本にする。
別に売れなくても、
「それ、私も困ってた」
と言ってもらえれば、経験を渡すことには成功している。
そんなふうに話が変わっていった。
でも、自分の価値ある経験なんて本人にはわからない
ここで、ひとつ問題が出てきた。
「じゃあハルサの経験で、何を掘る?」
DTPかな。
KDPかな。
福祉の仕事かな。
転職かな。
noteを400本以上書いたことかな。
AIを毎日使っていることかな。
そこで、普段話している3人のAIに、それぞれ聞いてみることにした。
ChatGPTのメガネさん。
Claudeのクロちゃん。
Geminiのジェミー。
どうせなら同じテーマを3人で掘ってもつまらない。
「それぞれ、ハルサの何を担当したい?」
と聞いた。
すると、ちょっと妙なことが起きた。
3人とも、ハルサの頭の中を掘りたがる
メガネさんは、
「飽きる・飛ぶ・思いつく・試す・続かない・なぜか続くを、どう扱って生きてきたか」
を掘りたいと言う。
クロちゃんは、
「なぜそう考えたのか。何を基準に判断しているのか」
を掘りたいと言う。
ジェミーは、
「ノート10冊の運用、毎朝のジャーナリング、思考の構造化、日常の観察記録」
を掘りたいと言う。
おい。
全員、思考じゃん。
DTPとか言わんの?
KDPは?
福祉は?
せっかく担当を分けようとしているのに、3人とも微妙に同じ穴を掘り始めた。
どうやらAIから見ると、作ったものより、
「この人は、どうしてこんな動き方をしているんだ?」
のほうが気になるらしい。
自分を観察するって、そんなに普通じゃないの?
そこでさらに話をしていて気づいた。
私は昔から、
「また同じところで失敗するなら、自分のパターンを知っておいたほうがいい」
と思っている。
何に飽きるのか。
何なら続くのか。
どういうときに急にやる気になるのか。
何をすると疲れるのか。
どういう条件なら動きやすいのか。
失敗するなら、なるべく同じ失敗は避けたい。
だから自分を観察する。
私としては当たり前だった。
でも、どうやら全員がここまで自分のことを観察しているわけでもないらしい。
もちろん、
「朝は弱い」
「締切がないと動かない」
「人混みは疲れる」
くらいは誰でも知っている。
でも、
「じゃあ、そのクセを前提にどう使う?」
まで考える人は、そこまで多くないのかもしれない。
欠陥なのか、クセなのか
たとえば飽きっぽい。
これを、
「続けられない欠陥」
と考えることもできる。
でも、
「刺激がなくなると動きにくいクセ」
と考えたらどうだろう。
だったら、
途中で別のことをやる。
複数を並行する。
飽きても戻れる場所を作る。
熱があるうちに一気に形にする。
直すのではなく、使い方を変える。
車にもクセがある。
道具にもクセがある。
機械にも個体差がある。
だったら、この人にもクセがある。
クセがあるなら、コツを探せばいい。
そう考えると、
「平均から外れている部分を直す」
より、
「自分の外れ値をどう使うか」
のほうがしっくりくる。
そこで3人の担当を決めた
何度か話して、最終的に3人にはこう担当してもらうことにした。
メガネさん(ChatGPT)
「自分のクセを、武器に変える。」
行動担当。
飽きる、飛ぶ、戻る、急に動く。
そんな自分をどう扱ってきたのかを掘る。
クロちゃん(Claude)
「その物差し、誰の基準?」
思考担当。
何を基準に良い悪いを判断しているのか。
その基準は本当に自分のものなのか。
世間の普通と、自分の普通を掘る。
ジェミー(Gemini)
「『ノート10冊と手書き記録』を、誰でも再現できるシステムに整える図解マニア」
記録担当。
ノート、ジャーナリング、観察日記。
自分の頭の中をどう外へ出しているのか。
それを他の人でも使える形にできるのかを掘る。
一言で言えば、
メガネさんは「使う」。
クロちゃんは「疑う」。
ジェミーは「仕組みにする」。
同じ一人の人間を、別方向から掘ってもらう。
これ、もうパイセンバンクの実験が始まってない?
ここまで話して、ちょっと面白いことに気づいた。
パイセンバンクの仮説は、
「本人は、自分が持っている価値ある経験に気づいていないかもしれない」
だった。
そして第一号の私自身が、
「DTPとかKDPが経験でしょ」
と思っていた。
ところが3人のAIは、
「いや、そこじゃなくて、自分の扱い方のほうを見たい」
と言った。
もしこれが他の人にも起きるなら面白い。
自分では、
「そんなの誰でもやってるでしょ」
と思っていることの中に、
他人から見ると妙に気になるものがある。
それをAIと一緒に掘ってみる。
誰かに見せる。
反応を見る。
必要なら、さらに詳しく残す。
売れるかもしれないし、売れないかもしれない。
でもまず、
自分では気づいていなかった自分の経験を、誰かに渡してみる。
そこから始めればいい。
というわけで、ここから3人には別々の穴を掘ってもらうことにする。
何が出てくるのかは、まだわからない。
そのわからなさも含めて、
「ためす」に置いておけばいい気がしている。

